【マーケティング用語】接するほどに好きになるザイアンス効果とは?
こんにちは、ますみんです。
学生時代、隣の席の生徒と毎日「おはよう」と挨拶を交わしているうちに、それまで特に気にならなかったのに、だんだん「いい子だな」「素敵だな」と思うようになった経験はありませんか?
もしかしたらあなたはその時、ザイアンス効果の影響を受けていたのかも知れません。
今回はザイアンス効果とは何か、マーケティングでどう応用するのかについて解説していきます!
ザイアンス効果(単純接触効果)とは?
ザイアンス効果とは?どんな効果があるの?
上で述べたように、少し挨拶をかわす程度の仲でも、それが何度も何度も続けば、相手の人に好印象を持つようになるものです。
またテレビから毎日流れてくるCMを見るうちにその商品が欲しくなったり、流行りの歌を何度も聴くうちにちょっと好きになったりするのも同じ。
これらは全て、ザイアンス効果が影響しています。
ザイアンス効果(または単純接触効果)は心理学用語で、よく会う人やよく見る物事ほど好きになっていく現象のことを指します。
心理学的背景
ザイアンス効果(単純接触効果)は、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスによって提唱されました。
1968年、大学の卒業アルバムからランダムに12人の写真を抜き出し、被験者に2秒間隔で見せていくという実験を行った。それぞれの写真を見せる回数に1 回、2 回、5 回、10 回、25 回と差をつけた。終わった後に12枚の写真を並べて好感度の高い写真を選ばせたところ、被験者は一様に25回見た写真が一番好感度が高いと答えた。顔写真に限らず、特に意味を持たない単語や、漢字に似せた図形を見せた場合にも同様の結果が得られた。
つまり、人は「何度も見た」というだけの理由で対象に好感を持ちやすいことがわかったのです。
ザイアンス効果のマーティングへの応用例
ザイアンス効果は、さまざまな手法でマーケティングに活かされています。
テレビやネットのコマーシャル
一番身近な例は、何と言ってもコマーシャル(CM)でしょう。
おそらくほとんどのCMは、初めて見た人にとっては何の意味もありません。ただ流れてくるものに過ぎないのです。
ですが、テレビで1日に何度も流れてくる、SNSや動画を見ているときに何度も同じCMを目にする、ということを繰り返すうちに、その商品のことが気になってきます。
それがいざ商品を買うときにも効果を発揮します。特に強いこだわりがない場合、よくCMで見ている方を手にとってしまうのはよくある話です。
SNSや動画サイトを見ている時に、同じCMばかり何度も何度も流れてくる経験をしたことはありませんか?
webマーケティングでは消費者心理を利用したシステムが構築されています。同じ人に同じCMが何度も流れるようにできているのです。これらは全て、ザイアンス効果を狙ってのものですね。
営業マンによる挨拶回り
一昔前は、営業マンがこまめにお客様を訪問したり、訪問が叶わないときは電話をしたりして、ご機嫌伺いをすることで接触を保っていました。
しかし、直接訪問や電話の場合、長くなるとかえってお客様の迷惑になります。上手な営業マンは売り込みや商品説明に行くのではなく「近くを通ったものでご挨拶に」と、ほんの少し話すだけで済ませたりします。
こまめに声をかけてくれる営業マンは必然的に好感度が上がり「そういえばこの前言っていたこの商品だけれど…」とお客様の方からアクションがあり、そこで初めて詳しい説明をする、という形になります。
売り込まずに売れるセールスの原型は、すでにこの頃からあったのですね。
ダイレクトメール・メールマガジン
現代人はみんな忙しく、お客様の時間を奪う一方的な訪問や電話はかえって迷惑と捉えられることも増えてきました。
そこで出番が増えたのがダイレクトメールやメールマガジンです。何度もハガキやメールを受け取ることで親近感を覚えていくザイアンス効果に則った営業の手法です。
メールや郵便でちょっとした季節の挨拶や近況報告をしたり、新商品やセールのご案内をしたり…。美容院からちょこちょこと送られてくるハガキで、そういえば…とヘアカットの予約をした経験がある人もいるのではないでしょうか。
定期的な配信で存在を思い出してもらうと同時に、受け取る人にとって役に立つ情報やお得なキャンペーンなどを上手に配信することができれば、存在感のアピールにつながります。
注意点
何度も接するうちに好きになってもらえるザイアンス効果ですが、間違った使い方をすると逆効果になってしまいます。
それは「相手が不快に思うことを繰り返し提示する」ことです。
何度も接触するといいと聞いたからといって、お客様に全く必要のないサービスのDMを何度も送ったり、印象付けようとして会うたびに不遜な態度をとっていたとしたら…。
ザイアンス効果が起きるどころか「イヤだ」というネガティブな感情を毎回強化していくことになりますので注意しましょう。
1人起業家がザイアンス効果を狙うならSNS一択
起業スターターで今から見込み客を集めたい、という場合、SNSを活用しない手はありません。ターゲット層が多くいるSNSをメインに、ぜひいくつかのSNSに取り組んでみましょう。
各SNSの特色については、こちらの記事にまとめてあります。自分に合ったものを探して使ってみると良いでしょう。
ザイアンス効果(単純接触効果)とは、接触する回数が重要なのであって、内容はそれほど重視する必要がありません。
大切なのは回数なので、最初のうちはマメな投稿を習慣にしましょう。そのうちコメントなどが入るようになれば、コミュニケーションをとることができるので、ますます接触回数が増えます。
ザイアンス効果を正しく理解した上で上手にSNSを運用できれば、きっとあなたのビジネスにも役立つでしょう。